2-01 風邪のカトマンズ

 カトマンズに着いて早々風邪をひいてしまうなんて全くついていない。
原因は分かっている。

 1、バンコクから乗った飛行機の冷房。
 うっかりTシャツのまま乗り込んでしまったのだ。

 2、ダッカで1泊したとき。
  乗客は適当に振り分けられ僕は韓国人の男性と一緒の部屋になった。彼はネパールでアクセサリーを作る仕事をしているそうで、ヒッピー然としたいかにも長期旅行者の風貌をしていた。
 部屋は広くて綺麗だったが冷房が壊れていた。天井の大きな扇風機は、今にもハネがもげて飛んで来そうなくらい不安げな音をたてて酷い速さで回転するので恐ろしくて点ける事ができなかった。彼はその事について従業員に猛抗議し、部屋が変わった。満足した彼は一晩中冷房を点けっ放しにしたため、うっかりそのまま寝てしまった僕は見事に体調を崩してしまった。

 3、雨のカトマンズはタイの暑さに慣れた身体には寒すぎた。
 飛行機が雲を抜けると、山に囲まれた茶色い街が見えた。湿ってひんやりとした空気、周りを取り囲む山々、昔夏休みに家族と行った信州の小さな村にいるような感覚になった。
 バンコクは連日30℃を越えていた。空港の外でカバンに付けている小さな温度計を見ると、18℃。すでにのどが痛くなっていた僕には余計寒く感じた。
 体調に不安があったので、宿は普段の自分にしてはよい所に泊まることにした。一緒の飛行機に乗っていた大学生のオリグチ君とツインをシェアして1人5,5ドル。背に腹は変えられない。

 4、薄い長袖シャツしか持っていなかったにもかかわらずオリグチ君と、ワーホリ上がりのトオル君と夕食を食べに行き、冷え込む夜の町を徘徊してしまった。また、その店のサービスで出された強い地酒(ロキシという蒸留酒)で半端に酔ったおかげで、ただでさえ熱で頭が痛くてふらふらなのに益々寒気が増してしまった。料理の味など分かるわけがない。
 発熱。悪寒。咳。鼻水。喉痛。頭痛。関節痛。倦怠感。食欲不振。風邪の諸症状の展示会のような状態になった。自業自得だ。

 出発前に友人から餞別に貰った薬箱を引っ張り出し、カプセルの風邪薬と袋入りの葛根湯を出して飲んでみた。両方飲んで効き目も2倍、になるのだろうか。収納箪笥から予備の蒲団も引っ張り出して(宿代奮発して良かった)、今はとにかく寝るだけだ。

ネパール・カトマンズ
( Khathmandu / Nepal / 2002 )