1-08 船4時間、バス4時間

カンボジア・コッコン 船着場には、シアヌークビル行きの船を待つカンボジア人や、大きなリュックを持った旅行者が集まっていた。いったい何が釣れるのか分からないし、先ほどからちっとも針にかかっている様子がないけれども、棒の先に糸をくくりつけただけの釣竿を子供たちが何度も海へ垂らしていた。なんだか餌が付いていないような気もするが、きっと気のせいだろう。針じゃなくて小石が付いていたようにも見えたけど、多分見間違いだ。
 15分遅れで、8時15分に船が出発。中の座席に座れるのだが、欧米バックパッカーと同じように屋根の上に出だ。見晴らしは良くても、強い潮風と絶え間ない波しぶきと照りつける日差しで居心地は良くない。
 海沿いの小さな村にある船着場に寄りながら、カンボジアでは珍しいビーチリゾートがある町シアヌークビルに到着した。確かに、途中で見えたいくつもの小さい島にはこじんまりとした白砂のビーチが見えた。周りには程よく椰子の木陰ができていて、沖へ行くにつれて緑から青へと色が変化していく海といい、なかなか素敵なビーチが多いようだった。町も他と比べて白っぽい建物が多いからだろうか、どことなく垢抜けた雰囲気だった。

 屋根の上に出ていると遠くからでも目立つため海賊などに狙われやすいと聞いていたので、何事もなく目的地に着いてほっとした。下船してしばらくしてから気が付いたのだが、顔と腕が真っ赤になっていた。潮のせいもあってか早くもヒリヒリと痛い。

01-08-4 カンボジアで大きなバスに乗るのは初めてだった。意外にもタイの長距離バスのような車体だったので安心したのも束の間、日焼けした身体には、エアコンの壊れたエアコンバスの蒸し暑い車内でじっと座っているのは堪えた。
  まばらに木の生えた赤茶色の大地は両側に地平線が見え、一直線に道が伸びていた。ここでも意外に思ったのは、道路がきれいに舗装されていることだ。カンボジアの道路も変わったものである。こんなだったらバスの旅も悪くないと思った。
  しかし、隣に座っていたプノンペン在住のフィリピン人宣教師は、よくこの路線を利用しているそうで、バスの中ではなかなか安心して居眠りもできなということを言っていた。バスは快適に走っているのにどうしてだろうと、最初は理由が分からなかった。でもしばらくして彼の言っている意味が分かった。運転が非常に荒っぽいのだ。道の脇を走る歩行者や自転車やバイクやトラクターや牛はもちろん、乗用車でもトラックでもどんどん抜いていく。前の車が少しでも隙を見せようものなら追い抜き、対向車がいなかったら反対車線を走って遅い車を追い越し、前に車が走っていればとにかく前に出ようとする。何度か牛を引きそうになり、1回引っ掛けた。なるほど、牛にはお構いなしか。人ははねずに18時ころプノンペンに到着。
  道端のやけに低いテーブルで背中を丸めるようにして何人もが食べていたので、なんだろうと思って近づくと、卵だ。前から一度食べてみたかったので、2個注文。見た目は卵、中身はヒヨコのような。形が見えなければ結構美味しいんだけど。

( Phnom Penh / Cambodia / 2002 )