Piece. 07 「実際に感じること」

[2011-05-25_14:52]

 僕が実際に、歩いて、見つめて、臭いを嗅いで、音を聴いて、話を聞けたのは、ほんのひとかけらに過ぎない。

 とてつもなく広大で、様々な思いが幾重にも重なり、おそらく誰にも全体像が掴めなくなってしまった、今もじわじわと形を変え続けている生き物のようなモノを、針の先ほどの穴からちらりと眺めた程度でしかない。

[2011-05-25_14:13]

 しかしその狭い狭い針の穴からでさえも、それはとても暗くて冷たくて、ありとあらゆる隙間にまで入り込んでいるのが見えた。
 最早全てを拭い去ることは不可能なくらい、信じられないほど小さな隙間にまで何かしらの跡を残していたのだ。
 その跡は新聞やテレビなどでは伝えられないくらいの小さなもので、でもこの場に立つと探そうと思わなくても自然と感じられるものだった。

[2011-05-25_14:46]

[2011-05-25_14:26]

 我々の多くは実際に経験してはいない。
 テレビの画面や新聞の写真などでしか理解していないし、経験したくてもできない。
 でも感じて、考えることなら今からでもできる。

 できることなら現場に足を運んでみてほしい。
 専門的な支援チームとして、一般の災害ボランティアとして、被害が軽度でいち早く通常生活に戻っている東北各地へ旅行者として。
 批判はあるでしょうが、興味半分でも構わないと僕は思う。
 そこで何を思い何を感じられるか、もしくは何も分からないまま帰ってしまうかはその人次第だろう。
 きっかけは何であれ、現実を知るということのほうが意義があると思うからだ。

 そこで得たものはきっと被災地のためだけではなく、これからの自分にとってとても大切なものになると思う。

[2011-05-25_14:08]

/* 女川町 — 宮城県女川町 — 2011 */